落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

GHOST 〜奇跡がたくさん降ってくるお話〜

 

 

 

 

※シアタークリエでの公演が終わった後に書いていたものを大幅に修正しました

 

 

 

余韻っていうのはいつまで持つのでしょうかね。この余韻にずっと浸っていたくて。まだ新鮮な記憶が残っているのは嬉しいけれど、時間とともに記憶が薄れていってしまいそうで悲しい。なので記憶がまだ残っているうちに書き留めておくよ!平成最後の夏にふさわしいくらいに没頭できて楽しくて仕方のない沼にまた飛び込めました。

GHOST THE MUSICAL

今年の夏はすごく暑かったけれど、そんな暑さを吹き飛ばすようにシアタークリエ、そして大阪久留米刈谷には冬の風が吹いていた。終わって欲しくなかったけれど、厳しい冬も春がくるのを止められない。この暑い夏も秋がくるのは止められないんだ。夜は必ず明ける。

 

 

さて、そんなゴースト。

1990年に公開されたアメリカの映画。それがブロードウェイにてミュージカルとして上演されていたものが日本版として初めてシアタークリエで上演されました。初めてっていうこともあって、本番までにたくさんの苦労があったことは様々な媒体でみなさんお話されていたし、千秋楽の最後、座長の言葉にもあった通り本当に大変だったんだと思う。色んな人の想いがたくさん詰まったこの公演。

 

初日の完成度の高さにはびっくりしたし、回数重ねていく内により良くなっていく姿にも衝撃を受けた。何より推しである平間くんの演技にたくさん殴られ続けた。気が付いたらチケットが増えていたし、気が付いたら日比谷の街に、刈谷にいた。そして気が付いたら私の貯金も底をついていた。カネての努力。それでも後悔なんかしてない。オダメイは私たちに素敵な出会いを届けてくれたんだよ。

こないだ久しぶりにステアラに行った時に私はこの夏で日比谷という街に飼いならされてしまったことを感じた。*1日比谷って恵まれてるんだよ。劇場には地下から直結で行けるし、すぐ近くにはコンビニがいくつかあるし、カフェもあれば飲み屋もある。なんならいきなりステーキだってある。*2なんて恵まれた街なのか。ちなみにステアラは関東荒野なので何もない。いや最近はチームラボとかあるね。もう少し歩くとちょっと頭のおかしいぐるぐる回る舞台もあるからみんな見に行って!あ、あと豊洲市場もついに動き出したね!ってそんな話はどうでもいい。

そんな恵まれた日比谷に2018年夏、ゴーストが舞い降りたんです。お化けがたくさん出る街、有楽町1-2-1。そう、シアタークリエ。

 

この際何回入ったかは忘れよう。全部が楽しくてずっと幸せだったんだ。GHOSTに通っていたからこそ得られたものがそこにはあったと思う。

 

 

前置きが長くなってしまった…

さて、シアタークリエでの1ヶ月間の公演が終わって全国ツアーも大阪久留米刈谷と3ヶ所を巡って大千秋楽を迎えたGHOST。たくさんの幸せをくれて、たくさん舞台の上から殴られたのでその思い出と今の気持ちを残しておきたいから書く。

 

 

GHOSTの公演があることを知ったのは髑髏城の七人Season月の公演中だったっけか。確かそれくらい。私が平間くんの沼に入りかけたとき。髑髏が終わったらGHOSTやるのか、へ~。くらいに思ってた気がする。GHOST自体、原作になった映画は見たことがあったし、内容も結末もなんとなくだけど覚えてはいたのでカール役って聞いたときにはどんな風に地獄へ行くのだろうか、とか、舞台だとどうなるんだろう、くらいにしか思っていなかった。髑髏の次はGHOSTと思ってたらトマトがあって、さんえるイベントもあった状態でチケット先行が始まっちゃったからその時点でチケット買えるお金はなかった。一般発売で必死に格闘してなんとか手に入れてた状態だった。だからまさかこんなに行くことになるなんて…

初日も当日までチケットを持っていなくて、その日にお誘いいただくことができて入ることができたので本当に奇跡のような初日だった。奇跡の物語の始まりと同時に私にも奇跡が舞い降りたんだと思ってる。

 

初日、とにかく感動した。初日ならではの空気も相まって、また素敵な作品に出会わせてもらったな、と初めて見て感じた。そして改めてシアタークリエの劇場の良さを噛み締めながら見てた。大きい劇場でみる舞台も良いけれど、小さい劇場で見る舞台の良さだってたくさんある。クリエの音響の相性の悪さは仕方ないことだとして。森クミさんのナンバー、あまりに迫力がありすぎて全然聞き取れなかったんです、すみません。ただ何回か入ると耳が慣れてきたのか、音響が良くなったのか全部の歌詞、セリフが聞き取れるようになったので気にならなくなりました。刈谷市総合文化センターは森クミさんにも湊さんにも負けない音響が揃っていて耳が幸せだったな… クリエさんごめんなさい……

 

個人的な見方があまりにも偏りすぎてて、物語の感想を正直に言うとカールがどこまで人間らしさを持ったまま黒く染まっていってしまうのか、とか、カールの過去にはどんなことがあったのか、みたいなところに焦点あてて見ていたところがあったので純粋な感想が大きくでてこないのが悲しいってところが本音。

ただ、平間くんが千秋楽の挨拶で仰っていた”信じる力”。この言葉を聞いてストンとこのお話の根底が見えた気がした。どこまで人を、見えないものを信じることができるのか。ゴーストは素敵なお話だった。ある日突然大切な人を失ってしまったらどうするか。たくさん考えたし、私ならって置き換えて考えたりもしたけど結局どうするのかが見えなかった。このお話にはファンタジー要素もたくさんあるからもちろん現実では起こらないようなことがたくさん起こっている。けどそんなことは全然関係なくて、目には見えないところでどれだけ大切な人と繋がれていたのかということを問われていたんだと思う。サムとモリーは深いところで繋がり合えていた。だからこそお互いにその想いが通じ合えたんだろう。サムとモリーにはあって、カールになかったもの。それが信じる力。信じ合える人がいるってとても幸せなことであって、またみんな平等に当たり前にあってほしいものだなと私は感じました。それが難しいことなのはわかっているけれど。それでもこの信じる力の大きさを改めて教えてくれたのはGHOSTだった。サム、モリー、カールそれぞれにそれぞれの事情はあったにせよ、みんなが自分の人生を背負いながら懸命に生きていく姿をステージから見ることができて、そして奇跡が重なり合って生まれる素敵な物語。この夏に見ることができて良かった。

 

 

 

 

 

 

  サム / 浦井健治

サムが浦井さんで良かった!!たくさんのありがとうを伝えたい。

今回のGHOSTで浦井さん初めましてだったのですが、浦井さんの凄さをたくさんステージから見せつけられた。私自身が物語を見る上ではカール目線で見ていたことがほとんどだったのでサムのことまではしっかり見られていないのですが、浦井さんのサムだったからこその表現とかたくさんあったんじゃないかな、と思ってる。モリーと2人でいる時のあの幸せな空気感。自然と見ているこっちまで笑顔にさせられる懐の深さがサムにはあって。個人的にはカップルがどれだけ幸せでいるように見えるかって彼女がどれくらい幸せなのかが大事なのではないかと思っていて。2人のモリー、すごく幸せそうに笑ってた。だからこそサムも幸せだし、見ている方にもそれが伝染してくる。このモリーが幸せそうに笑えるのってサムの存在の大きさがあるから。頼れる人がいる女性は強い。これに関してはモリーのところで詳しく書きます。その女性の強さを上手に出してあげられるサムは浦井さんしかいなかった。浦井さんでほんとに良かったなとずっと感じておりました。

カールとの親友であり兄弟のような仲の良さも公演を重ねるたびにどんどん深くなって。浦井さんと平間くんの仲の良さと比例するようにサムとカールの仲の良さが板の上にも出てきていた。初日はみんながセリフ然としていたOPの今ここでまでの流れがあれだけナチュラルに感じられるようになったこと単純にすごいと思った。どっかの公演でいきなりナチュラルになったからびっくりしたんだよな。仲良しなのが舞台の上からも感じられるサムとカールの関係性が大好きでした!

サムってものすごく思いが真っ直ぐで死んでからも必死に生きててほんと格好良いんですよ。大切な彼女を守るために奔走してもがいて。こうなってしまうことが見ている方はわかっているから、OPでカールにかける「5年後お前もここの隣に引っ越しておけばなって後悔するよ」ってサムのセリフが観劇を重ねるたびに切なくなった。そんな未来がくることをこの時は3人全員が信じていたしその未来がこないなんて疑いもしていなかった。ここからのモリーの曲で「手放す時が来てるとわかるの、理解してる。彼との未来は決してこない、もう」って聞くとOPからの未来が見えたアンサーみたいに聞こえてきてより切なくなるんだ。みんなが笑って過ごす5年後も見てみたかった…

サムの表現、心の声ってゴーストになったからこそ全部を言うことができるから、大きな変化とかはなかったと思う。多分。私が吸収できるくらいのキャパがなかっただけかもしれない。ただ、カールが自分を殺した黒幕だってわかった時のサムの歌い方が初日近辺はカールに対する怒りが先にくるような表現だったのが、後半になると嘆くような表現に変わっていたのがすごく刺さった。信じていた人に裏切られて、怒りよりも信じられない…なんで…っていうような歌い方で。サムはカールのことを慕っていたし大事に思っていたんだ、ってこと改めて感じた。

そして人生は突然変わる。カールがモリーの家を訪ねてサムが「カールは人殺しだ。入れちゃダメだ。」って伝えるシーン。刈谷公演ではこのサムのセリフが"そいつは人殺しだ。人を殺したんだ!"って改めて言い直したんですよ。鳥肌が立った。人殺しだ。と人を殺したんだ。意味は全く同じなのにしっかり言い直すことでより伝わってしまうのはどうしてなんだろう。事実を大声で叫ばれると思考が停止させられる。カールを指差しながら叫ぶ「こいつは人を殺したんだ!」がモリーを説得したい想いの強さとか、改めてカールは悪い奴なんだってこととか、色んなことがこの一言だけで一気に思い出させられる。それでも届かないサムの言葉がまたもどかしい。モリーを守りたいサムの思いの強さ。

ただ最後までわからなかったのが、闇に引きずり込まれるカールが「サム、助けてくれ!」って伸ばした手をサムが「俺に掴まれ!」ってカールの手を取るところ。どうしても最後までわからなかった。カールが黒幕だとわかってから悔しさ憎しみがサムの中でたくさん轟いて怪奇現象仕掛けた時には"お前は埋められるんだ"ってカールの計画が失敗した時にどうなるか予言するような言葉を使って脅す。それなのに、最後カールが闇に引きずり込まれる時にはカールの手を取ってしまうのがサムなんだ。ずっとなんでなんだろう、って思ってた。あんなにカールのこと恨んでいたのに。ただ、えんぶ*3で浦井さんのインタビューの中で少しだけこのシーンに触れられていて。それを読むと浦井さん自身もしっかりはわかっていなかったんだな、って。サムにとってカールは恨むべき憎しみを抱くべき存在であるのには変わらないけどそれと同時に親友であった事実も変わらない。カールの優しさとか良いところをきっといちばん知っていたのがサム。そんなサムが目にしたカールのラストに反射的に手を出した。やっぱり憎しみきれなかったんだろうな。っていう私の解釈なんだけどここは結局噛みきれずに終わってしまった… 浅はかな解釈悲しすぎ… でもサムの表情まで見られる余裕が私にはなかったんだ、なんせカールさんのラストだったから… 言い訳すみません、どなたか素敵な解釈お持ちの方いらっしゃいましたら私にその解釈聞かせてください!!

そして最後に。浦井さんにはほんとに稽古期間から平間くんと仲良くしてくれてありがとうございました!!ってことを大声で伝えたいです!!!観察日記最高でした……!!!平間くんはメタルマクベスdisc3観に行くんだよ、そして浦井さんは観劇にきた平間くんと写真を撮ってブログに載せてください。仲良しなサムとカールください…… 最後の思い出に……

 

 

 

 

  モリー/咲妃みゆ

ゆうみちゃんのモリーって全部に全力なの。それがすごく可愛くてサムが守ってあげたくなるのがすごくわかるモリーだった。とりあえず言わせてくれ… ゆうみちゃんとにかく可愛い!!!!!ほんとに可愛いモリーだったんですよ。先程も書いたけど全てに全力なの。幸せの中にいるときは全力で幸せに浸っているし、悲しい時にはとことん悲しんで、落ちるときはどこまでも落ちていく。良い意味で「無邪気」って言葉が似合うモリーだった。まだ世間のことを知らないモリーがサムとの出会いと別れを通して幸せ、楽しさ、寂しさ、悲しさ、辛さ、悔しさ全部を初めて体験したような、そんな子どものようなところも垣間見えた。だからこそサムとのカップル像は大人なカップルというよりは、等身大の、自分たちの想いが通じ合っていて幸せの中にいる2人なんだ。

 

  ⚪︎頼れる人がいる女性は強い

※これはモリーをみてとても強く感じたのですがまたゆうみちゃんモリーと秋元さんモリーではニュアンスというか、感じ方が全然違うんですよ。2人を比べているわけではなくて。どっちも素敵だぞ!って話とこの2人のモリーに感じていた違いを個人的にまとめておきたいので、あとで秋元さんのところでも同じお話しますね。

この女性の強さを感じるのって最初のサムとの家具のやり取りなどのOPシーンと人生は突然変わるが一番見えてくるのかなと思っていて。ゆうみちゃんモリーにとって「頼れる人」「寄りかかれる場所」っていうのはもちろんサムであることに変わりはない。サムがいるから仕事も頑張れるし、笑顔でいられる。そして何よりどこにいても強くいられる。サムという頼れる人がいて、寄りかかれる場所があるからこそ、より大きな存在としてモリーがいられる。その頼っていた人、寄りかかっていた場所が一瞬にして無くなってしまった。そうなるともう強くもいられなくなってしまうし何も手をつけることができなくなってしまう。サムの殺害の時の銃声。あの音にすごく怖くなって耳を塞いで反射的に目を逸らしてしゃがみこむ。その姿に普通の女の子だったってことを改めて感じさせられた。そして変わり果てたサムの姿をみて今まで大きな柱に支えられて立つことができていたモリーがみるみるうちに細い線に変わっていって1人では立てなくなってしまう。そんな細さがモリーにはあった。ただモリーの中での「寄りかかれる場所」っていうのは、サムであることは確かなんだけど、サムともう一つ、自分では意識のしていないところで「自分自身」の中にもあったのではないかなと思う。サムを失ったことでこの寄りかかれる場所の多くはなくなってしまったんだけど、それが自分の中にもあったから、モリーはなんとか1人でも立っていられる、芯のある女性に見えた。

人生は突然変わるでカールの言葉はモリーの中に入っていくの。これもゆうみちゃんモリーだからであって。サムを信じてみたけど警察に行ったことで結局信じた自分が馬鹿だった、と自分を責めてまたサムを失う。そして込み上げてくるのが怒りだったり悔しさ。ひたすらに堕ちていく。モリーは堕ちていくところまで堕ちていった。気分転換にラジオをつけて、ろくろを回すんだけどそのろくろすらしっかり回せない。サムとの思い出の曲を聴いて思い出してしまうとどうにもならないくらいの寂しさに襲われて。枯れるほど泣いたはずなのにまだ涙が出てくる。そこに現れるのがカール。カールの「今ここで、愛を信じるんだ」って言葉。これはモリーのサムへの愛を信じてあげてほしい、って言葉だと思っていて。カールもモリーの姿と壊れたろくろをみてサムのことを思っていたことがわかったんだと思う。この言葉でモリーの中のサムへの気持ちの整理とか少しだけついたんじゃないかな。どこかで"手放す"きっかけは作らないといけないから。それが無意識の自分ではわかっていた。そして手放すのと同時に頼れる存在がないと立てないから、カールの優しい言葉たちが染みるようにモリーに入ってくる。写真を落とされて、サムに引き戻されるんだけど強引に帰るカールのこと、引き止めようとしていた時もあって。モリーはカールのこの行動、言葉に罪悪感みたいなものは感じてなかったんじゃないかな。少なくともこの行動をしたカールを責めるようなことはしないと思うし寧ろ感謝していたかも。あのあと電話でのモリーの声がものすごく明るいの。手放す時がきていることを理解して、新しい人生を生きていく歩み始めようと前を向いている。

サムを失って、カールの言葉にきっかけをもらって、なんとか踏ん張って立っていたところから自分1人でしっかり立てるようになる。サムがいなくなってしまったことをちゃんと理解できたんだな、とモリーから感じた。モリーにとっての「頼れる人」のところにカールが少しずつ入り始めていたのかもしれない。だから明るく前を向けたんだ。それもこれも寄りかかれる場所を自分の中に作っていたから。この場所があったから、ゆうみちゃんモリーはサムを失っても芯のある女性に見えたのかな、と。

 

色々書きましたが何よりゆうみちゃんモリーの高音の安定感と公演を重ねるたびに増す歌い方の変化がほんとにすごくて。大千秋楽の公演、もう何度も見ていたはずなのに鳥肌がとまらなかった。モリーの内から出てくる感情にたくさん震わされてた。間の取り方が上手で感情がより乗ってくるの。今回のGHOSTで初めましてだったのですが、とにかくすごい人なんだな、っていうこと感じた。ファンになっちゃう秋元さんの気持ちめっちゃわかる。だって私もファンになったもん。モリーのときはあんなにしっかりしていたのに、カーテンコールや挨拶になると今まで隠していた緊張とかが全部出てきて、大千秋楽の公演ではモリー2人そろってずっと泣いてるの。なんなの、可愛いなの?私ももらい泣きしちゃった… そしてクリエでの公演終盤くらいから浦井さんとラスト2人ではける時、必ず浦井さんを立てようとする姿に毎回ときめいてました。とにかくゆうみちゃん可愛い……… 地方公演では木南のお姉ちゃんと凜子ちゃんと3人でわちゃわちゃカフェ巡りしてるの可愛いし、GHOST終わってディズニー行ってる三つ子ちゃんほんと可愛いくて癒されてます、これからもたまには3人で集まってほしいな、なんて。またどこかでゆうみちゃんのお芝居を観に行きたいな。

 

 

 

 

  モリー/秋元才加

サムへの思いが大きすぎて、だからこそ手を放してしまうとすぐに折れてしまいそうな繊細なさがあったモリーだった。サムと秋元さんモリーカップルは大人なカップな印象でした。なんだろう、お互いがお互いのことを全部わかった上で良い関係性が築けている2人。モリーはサムに対して「愛してる」の言葉を強く求めるけれど秋元さんモリーはサムが言葉にしてくれないことはどこかでわかってる人だと思う。それ以外のところでサムからの愛をたくさん感じていたし、それがサムの愛の形であることもわかっていたから。それでもその言葉を聞きたい気持ちが溢れると求めてしまう。でも求めることをできることがモリーには大事だったし聞いてくれるサムがいるのが2人の良い関係性だったんじゃないかな。大人なカップルだけど時にはお互い甘えられる、そんな印象です。

 

  ⚪︎頼れる人がいる女性は強い

モリーにとって、サムは「頼れる人」であり「寄りかかれる場所」として存在している。もちろんこの「頼れる人」「寄りかかれる場所」っていうのはモリーが"女性として強くいられる"理由の一つとして。OPで家具のやり取りとかギターのシーン、カフェでの仕事終わりのモリーを見ていると強く1人の女性、モリーとして存在できている。ただ突然サムを失ってしまう。モリーにとって強くいられる要因はサムの存在で、サムが全てだった。だから倒れているサムにかけよって泣きながら叫ぶ「お願い、私を1人にしないで!」って言葉がモリーの不安と焦りの大きさを感じてサムと一緒に一瞬にして今までのモリーまでいなくなってしまうような、そんな風にモリーは崩れていく。サムが全てだったモリーにとってそのサムがいなくなると心の拠り所がなくなってしまって、何にも手がつかない感じがまた改めてサムを失った現実と同時にあまりに小さくて弱い女性だったことを見ている方が突きつけられる。サムが全てだったモリーは彼を失ってからもずっとどこかにサムを探している。何をしていても頭にあるのはサムのこと。彼のことを考えている、思い出す、っていう気力でなんとか生きている。サムを思って歌うWith you。心の叫びがすごくて鳥肌が止まらなかった。強い女性だと感じていたのはサムがいたからで、強くいられる場所がなくなってしまうとふらふらと線が細くなってしまうんだ。人生は突然変わるでカールの言葉が刺さらなかったのはどこかにまだサムを探しているから。"馬鹿よね嘘が見抜けずに"って自分のことを責めるけど、2回もサムを失っても一瞬ですら彼を忘れられない。だから刺さらなくて、ずっとカールの言葉もどこか上の空で成り行き任せで聞いているんだ。それがカールにも伝わっているから、自分が写らない寂しい目をモリーに向ける。カールの「今ここで、愛を信じるんだ」って言葉にはカールの愛の方が大きく感じた。俺もいるよ、頼ってよ。っていう訴え。まあ届かないんですけどね、モリーには。写真を落とされてやっと現実に引き戻される。モリーにとっての彼の存在の大きさは多分誰にもわからないくらい大きいんだ。だからこそモリーはラスト、サムにお別れを伝えることができてよかったと思ってる。できてなかったらきっと前に進めるものも進めなかっただろうから。

 

秋元さんモリーのサムへの気持ちが大きすぎて見てる方が受け止められないくらいでほんとに大好きだったしサムが全てだった秋元さんモリーとにかく思いが真っ直ぐで秋元さんの右に出る者はいないと感じておりました。お芝居をしっかり見るのは初めてだったのですが、想像していた以上に歌も上手で初めて見た日のモリーの歌声に鳥肌がたったの忘れられない。歌の力の大きさまでまた教えてもらえた。秋元さんの強い女性なイメージがまた良い意味で崩されて楽しかった。大千秋楽、ゆうみちゃんと2人で並んで挨拶しながら2人で泣いちゃうWモリー可愛くて仕方なかったよ!!!

 

 

 

 

  オダ・メイ/森公美子

パワフルで可愛いオダメイは森クミさんにしかできません!ゴーストで個人的にいちばん好きなキャラクターがオダメイなんですよ。可愛いくて、ストレートで何より嘘がない。いや、職業的に嘘がないって言ったら語弊があるか。サムとのやり取りはまさしくオダメイそのもので何回みても飽きがこない。後半でやり始めた見えてるネタ最高でした!物語前半ではサムに非協力的だったのが後半になるにつれて、サムとの信頼関係だったり、モリーへの接し方の変化からオダメイの優しさがたくさん感じられる。ゴーストにいなされてレッドブル飲みながら仕事してるところまで可愛く見えてきちゃう。そしてあまりにもパワフルな歌声にずっと圧倒されてました。森クミさんのお芝居を拝見するのは今回が初めてで、ずっと生で歌を聞いてみたいと思ってたので念願かなってめちゃくちゃうれしかった。ゴースト配役見たときにオダメイが森クミさんだって知ったときは思わずガッツポーズしちゃったもんね。

最後にモリーを支えることができるのはきっとオダメイだけだから、サムが天国へ行ってしまってからも傍にいてあげて欲しいな、と思います。

 

 

 

 

  カール/平間壮一

カールについての詳しくはこちらをどうぞ!

(H31.3.4 読み返したところ妄想があまりにも酷かったためここで語ってたカールさんはフェードアウトさせました)

 

 

人間らしさがたくさんあって、黒く染まってしまうというよりは染まらないといけなかったカール。とにかく毎回見せる顔が違いすぎて一言で表すことはできないんですけどそれがカールの魅力だった。大千秋楽の一撃は忘れない。あの一言で地の果てまで突き落とされた。そういうところ、大好きだよ!!!

 

 

 

 

以上私のGHOSTの感想文でした!!

あ、ここではメインキャストさんのお話しましたが、公演中にGHOSTカンパニーが大好きになってしまい、アンサンブルさんのお話もしてますよかったらこちらも合わせてどうぞ。

GHOST 〜アンサンブルキャストさんたちのお話〜 - 落とし物箱

 

 

この夏たくさんの幸せと奇跡をもらったGHOST。全部で何回入ったかなんて回数で表すのはもったいないくらい、いやその回数以上の幸せが私の中にはたくさん残りました。

またいつか、シアタークリエで見られたらいいな、と思いながら。ただこのキャスト、スタッフさんが揃ってのGHOSTはきっとこれが最初で最後なんだと思うと寂しい気持ちもありますが、とにかく出会えてよかった。

 

たくさんのありがとうをこのGHOSTカンパニーに。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:元々生息地はここ1.2年ステアラの身

*2:私は行ってないけど出演者さんたちこぞって行ってましたね、美味しそうで私もいきなりしようか何回も迷った

*3:演劇雑誌