落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

鍵をかけて、時間を止めよう





廣瀬友祐さんのワンマンライブ、THEATER Hに行ってきました。
散々行かない行かないと心に決めていたはずなのに、気がついたら私は白金高輪に行っていた。私の決意の固さなんてそんなもん。
でも本当に行って良かったと思えたので、そして文章書きたくなったから、書きます。



ロミジュリをみて、廣瀬友祐という人に出会って、なんか理由はわからないけれど無性に惹きつけられるものがあって。廣瀬さんの表現をこれからも自分なりのペースで見ていけたらな、なんて思うライブになりました。
ずっとなんでこんなに癖になってるだろ〜って思ってた理由も今回のライブを通してわかったのでこれからも多分ふわふわとついて行っちゃうんだろうな( ^ω^ )






1幕、最初の2曲は記憶がない。目の前に廣瀬友祐が出てきて廣瀬友祐は良い男だ……(※これ口癖です)って浸ってたら終わってた。廣瀬友祐は良い男です。
平成を振り返るコーナー。もうとにかく贅沢な時間でした。この平成30年の中で生まれた名曲たちを廣瀬さんの歌声で聴ける時間。このコーナーを作ってくれたことに感謝でした。
廣瀬さんの表現の幅の広さを感じたなぁ。どの曲もイントロが流れて、彼の歌声が乗ると一瞬で廣瀬友祐の世界になる。全てを呑み込んでしまうくらい惹きつけられるものがあって。15分の全14曲に渡る平成ヒットソングメドレーはとにかく素敵な時間であっという間だった。しっとりと歌い上げたり、軽やかに楽しそうに歌うその姿を見て、楽曲の持つ、そして廣瀬さんの作る世界の中に一緒に入れてくれているようで。個人的には硝子の少年が廣瀬さんの歌声との相性がピッタリだと思った。あんな感じの曲調の歌を廣瀬さんが歌うのすごく新鮮だったんだけど全く違和感とかなくて格好良かった。フルで聞きたかったな… さくら(独唱)の高音とか森山さんかと思うくらい綺麗で。もっと高音の響く曲がこれから聞きたいなと思った。全部の感想書いてたら終わりが見えないので割愛させてもらうけれど、ラストに歌ったのが世界に一つだけの花だったのはすごくセンスを感じたな。硝子の少年もそうだけど、ジャニーズじゃない人がジャニーズの曲を歌っているのがまた新しくて嬉しくて。まさか廣瀬さんが歌うなんて思わなかったから。平成を彩るにふさわしいラストの楽曲だな、と。また「No.1にならなくてもいい 元々特別なオンリーワン」って言葉を聞けたのが感慨深く感じてしまった。MCで仰っていた、自分に自信がなくても、舞台の上に立つとそんなことなんて言えなくて。粗削りの魅力を感じて欲しいと言っていた言葉。この歌詞が廣瀬さんにとてもぴったりだなと改めて感じました。それにしても世界に一つだけの花、本当に良い歌詞だな…と思った。久しぶりに歌詞がストンと入ってきた。すごい。
昨日のメドレーを振り返ってみると、私なんかがこんな風に思うのはおこがましいかもしれないけれど、平成の間に良い曲がたくさん生まれたんだなとまた改めて感じたメドレーでした。廣瀬さんの歌声で聴くことによって、また新しい角度からそれぞれの曲を聴けて、その曲たちがもっている魅力に気がつくことができました。ありがとう。

さて、平成ヒットソングメドレー。ものすごく良かった。ただメインはここだ!日替わりコーナーの話がしたくて私はこれを書いてる!
私は廣瀬さんのeven ifが聞けてとても幸せだったよ…
冷静に考えてティボルトな廣瀬さんしか知らなかった私に追い打ちをかけるようにeven ifを歌ってくるの、すごく責めてくるなと思ったし、もう十分しんどいループにいるのにもっと深くまで誘うかのようにあの世界観に引き込むんだもん。私は愛する人がいる人を愛してしまった廣瀬さんの儚さが好きだ。 (ティボルトとはまたちょっと別世界の話ではある…かな。それでもとても刺さったよ。)

平井堅のeven ifという曲、今回のライブで初めて聞きました。

even if

even if

  • 平井 堅
  • J-Pop
  • ¥250

個人的な話をすると、ミュージカルこんなに観に行っててあれなんですけど、私あんまり音楽を聞くのが得意ではなくて。曲を上手に聞けないんですよ。ミュージカルだけじゃなくて、普段聴いてる歌とかも基本的に歌詞も音楽の一部としてしか聞けなくて。曲の世界観とか雰囲気とかと一緒に漠然としか入ってこない。だから歌詞の内容を理解するまでに何回か聴き込まないといけないんです。それがミュージカルみたいにパフォーマンスをしながらになると、今度はパフォーマンスで頭がいっぱいになっちゃうから、ミュージカルとか観ていると気がつくと怒ってたり、めちゃくちゃ物語が展開している。セリフが聞こえてないから何が起きたのなわからなくて。しっかり歌詞見返してみるととんでもないこと言ってたりして驚くことは日常茶飯事なんです。

でも今回廣瀬さんの歌うeven ifは違った。こんなに初めて聞いて、この曲がもつ物語の世界に入れたのは初めてだった。
幸せそうに笑うカシスソーダの女。その女の隣で自分の気持ちを燻らせながら葛藤しているバーボンの男。こんなに悲しい曲があるのかってくらい悲しくなったし、彼の優しさとか、気持ちの昂りとか、やるせなさとか、全部感じることができた。レトロで静かなバーカウンターに座る2人の男女の背中が見えた。ものすごくやるせない気持ちになった。バーボンの男に幸せになってほしい気持ちでいっぱい。なんで好きになった女の薬指には光るものがついているんだろうとすら思った。この曲がただのバーボンの男の妄想の話なのはわかる。それがまた廣瀬さんの持つ世界に合っている感じがして。自分の気持ちすらその女に伝えることができないのが彼なりの優しさだったりするんだろうな、不器用だなっていうのが伝わってきて、とても刺さってしまった… この曲を聴きながらどうして自分がこんな気持ちになるのかもわからなくなったけれど、それは多分歌ってくれているのが廣瀬さんだったからで、ティボルトでたくさんボロボロになるのを見てきたから。たった1回だけ、曲を聞いて胸が苦しくなったのは初めてで本当に訳がわからなくなって。でも最後に時計の針を気にしてバーボンを飲み干した彼はきっとまた何事もなかったかのように彼女を送り出すだろうから、私は彼の隣で何も言わずに1杯奢るから付き合ってって一緒にバーボンを飲む女になりたいと思いました。(妄想) 都合のいい女ってやつ。それでも誰かがそばにいて少しでも気が落ち着くなら…とそんな格好良いことができる女に憧れた。なんかそんなこと考えちゃうくらい報われない恋に切なくなった。終電越えるまでいつでも付き合うよ。はぁ、廣瀬さんのeven ifがあまりに切なすぎて大好きだ。 歌詞がストンと心に沁みるように入ってきたのも初めての経験で、なんかよくわからない感情に支配された。でもそれも楽しくて。いつか廣瀬さんに報われる恋をしてほしいと思った。

2曲目は安室奈美恵さんのLove Story。この曲もまたしんどくなったけど実際even ifの衝撃でほとんど覚えてないのもまた事実。それでも恋人を失った悲しみは感じたし生まれ変わっても愛し続けるのに一緒にいられないのがこんなに辛いものだとは思わなかった。
廣瀬さんが歌うことによってよりしんどくなるのはもう仕方のないことだとしても、やっぱり切なくなってしまう。
ただ個人的な好みとしては失った恋を歌うよりも、報われない恋に切なくなる方が好きだなと思ったので、廣瀬さんの報われない恋をこれからも応援していきたいと勝手に思います、そして決まって傍で支えたいと思わせてください……


さて、1幕最後の曲は本当の俺じゃないでした。
私が今回ワンマンライブに行こうと最終的に決断したのはこの曲が聞きたかったからで、ティボルトではなくて、廣瀬友祐の本当の俺じゃないを最後に聞いて私の中のキャピュレットの女の役目を終わらせたいと思ったから。すごくすごく、素敵な最後のキャピュレットの女の仕事だった。

ロミオ&ジュリエットを思い出しながら聞くのも良い、また違った視点からでも良い、今の廣瀬友祐の届ける本当の俺じゃない。私はロミジュリの亡霊なのでやっぱり公演中のことを思い出していたのがいちばんだったんですけど、それでもこれはティボルトではなくて。「本当の廣瀬じゃない」と言っていたけれど、ほんとにそうで。廣瀬友祐であって廣瀬友祐でない、ティボルトであってティボルトでない、本当の俺じゃないだった。
なんか、感じた言葉をそのまま言うんだとしたら、全部が終わった後のティボルトであり、廣瀬友祐だった。一途にジュリエットを思う姿、憎しみに駆り立てられる姿、現実の自分と理想の自分に踠く姿、そのどれもが見てきた姿だったけれど、どこか違くて。全てを受け止め切ったあとの本当の俺じゃないだった。大人やこの街に対する言葉に牙は見えるけれど、それすらも全部の気持ちを大きな心で覆っていたように感じた。最後だと思いながら聞いていて、すごくその気持ちに相応しい感じがした。天国からヴェローナの街を見守る廣瀬友祐のティボルトの強くて優しい姿が目に浮かびました。ティボルトだった頃の"強くて優しい"とはまた一味違う、全てを知って受け止めた上での"強くて優しい"姿が見られて良かった。
天国では幸せになっていてほしいな…… マーキューシオと仲良くしてね。そしてロミオとジュリエットを優しく見守る夢見ていたヒーローになってほしい。
素敵な本当の俺じゃないでした。





2幕はTheater Hの楽曲全曲披露。
今までの経験上、イベントの時で個性を表現する人たちを見ていると私がダンス好きなこともあって、踊りで表現してくれる方がほぼ多数だったので、ステージ上に1人、歌だけの表現を見るのが初めてですごく新鮮で刺激が大きかったのと同時に、歌の持つ表現力の広さにまた世界が壊されました。
Theater H、CDはずっと聞いていたんですけど、前述したように曲聞くのが苦手な私はこの2幕で一気にそれぞれの曲がもっていた世界観とか、廣瀬さんが表現したかった、伝えたかったものを感じることができた気がした。歌詞をちゃんと感じられたのも嬉しかった。
"パフォーマンス"というよりも"表現"と言いたくなるようなステージで。強い思いや、悲しさ、切なさ、夢の中に浸っているような幸せなひと時だったり、一瞬一瞬のころころと変わっていく感情が感じられるひと時だった。
そして感情がこもった時の歌の強弱のつけ方がすごくて。一瞬で気持ちが大きくなったかと思ったらふっといなくなってしまうような瞬間があって、この人の歌の表現の幅の広さを感じた。こんな風に歌を聞いて感じる日がくるなんてほんとに思っていなかったからなあ。そしてひたすらビブラートをかける声帯…綺麗…って思ってたら時間が過ぎてました。震える声帯、美しかったなあ……




今回の廣瀬さんのワンマンライブ、行けて本当に良かったし、初めての経験がたくさんありすぎて、忘れられないライブになりました。ほとんどはeven ifのせいなので、私はこれからふとこのライブを思い出したら平井堅のeven ifを聞くと思います。今すぐTSUTAYAに借りに行かないとだ!!


またいつか廣瀬さんのeven ifが聞ける日がくることを祈って………
素敵なライブをありがとう。廣瀬友祐は良い男だ…