落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

寒くなってくる冬、心を温めに「Indigo Tomato」を観に行きませんか?






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円周率、私は3.1415までしか知らなかった。円周率ってどこまでも続いていて、終わりがなくて不思議な数字なんだよな〜。Coloring Musical「Indigo Tomato」を見て円周率が少しだけ身近に感じてそれでいてどこか遠く感じて。何が言いたいかってとにかく良いお話なので私は色んな人にこのColoring Musical「Indigo Tomato」という作品を見てもらいたい。これは、そんなおたくの「Indigo Tomato」の紹介文です。刺さる人、刺さらない人いると思うしここがしんどくて最高ポイント!みたいな特筆するべき感情のジェットコースターみたいなことはないけどこの作品の温もりが大好きなのでそれが少しでも伝わるといいな…とない語彙力を振り絞って文章にしてみました。



最初に円周率の話をしたけどこのお話、円周率はきっかけの1つであって、ただストレートに人と人との物語であり人って温かい存在で必ず自分の周りには誰かがいるんだよ。っていう当たり前のことを教えてくれるお話です。


自閉症」「サヴァン症候群」「障害」「数学」「円周率」とかストーリーを話す上でやっぱりキーワードになってくるのはこの言葉で。障害を抱えている人のお涙頂戴的なお話でしょ?数学苦手だしわかるかな?とあらすじを読むとそんな印象を持つだろうし、例に倣って私も初演の時はそう思ってました。でも、これはやっぱりキーワードの1つにすぎなくて、このお話が伝えてくれるのは日常にあるごく当たり前の感情のこと。見終わった後に笑顔が出てきて優しい気持ちになれてちょっと日常がハッピーになる。そんなミュージカルだった。




初演時に少しずつ口コミで広がっていって千秋楽になるにつれて劇場に入る人が増えていって。キャストもおたくもみんな再演してほしい!と願いつつも再演って大変だったり実現が難しいことを聞いていたからいずれ上演するにしても1年半というこんなに短いスパンで再演が決まるなんて夢にも思っていなかった。なので再演が決まった時は本当にびっくりしたしおめでとう!という気持ちでいっぱいで。それだけ好評だったんだっていう証でもあったと思うからめちゃくちゃ嬉しかった。


再演ってまずできることがすごいけどそれ以上に初演を超えられるか、みたいなところもどうしても付いて回ってしまうことだと思う。なんですけど!この作品が持ってる優しさ、温かさはそのままにそれぞれのキャラクターの個性が一層濃くなって、また新しいIndigo Tomatoになってました!これはほとんど演出が変わっていないことがひとつ。そしてキャストがほとんど*1続投なのも大きいと思う。だからこそ深めないといけないところをキャスト、スタッフ、このIndigo Tomatoチームみんながわかってることを感じるし、わかりやすく観た人をこの世界に招いてくれる。初演が好きな人を置いていくことなくみんなを包み込んでくれる世界。心配無用!!むしろ進化してるすごい!!!再演ってすごい!!!!(語彙力欠如)


「Indigo Tomato」のあらすじとかキャストとか。

▼物語

サヴァン症候群で“共感覚”をもつ青年タカシ(平間壮一)は、数字や記憶に突出した能力を発揮するも、コミュニケーションが苦手でもっと外の世界と関わるようにと言われている。そんな兄のために様々なことを諦め、働きながら生活を支える弟マモル(長江崚行)。タカシは毎日10時01分に植物公園のカフェの店員あや(安藤 聖)が作るトマトジュースを飲むことが日課になっていた。あやとの交流によって外の世界を知り始めるタカシ。
ある日人気クイズ番組の司会者ユーゴ・オブライエン(大山真志川久保拓司)が脳科学者の先生(剣 幸・彩吹真央)を伴ってやってくる。タカシは才能を見いだされクイズ番組への出演を持ちかけられる。
最初は拒むタカシだが……。
(HPより)


Coloring Musicalと言っているのでもちろんミュージカルです。キャッチーな楽曲で彩られて紡がれていく物語に観終わった後この楽曲を口ずさみながら帰りたくなる帰り道にトマトジュースが飲みたくなる。トマトジュース、私苦手なんですけどほんとに美味しそうなんだ*2。 そして後ろに少しずつ書かれていく数式。最初は空白なのがだんだんと埋まってきて最後にはタカシの頭の中にある景色が視覚として見られる。タカシの見えている世界に案内してもらった気分になれるし、この埋まっていく数式たちをみる気分は放課後に残ってるみんなで黒板に落書きするあのわくわく感。誰もが経験したことのある気持ちだからより温かみが増すんだ。またColoringとついているだけあって、とってもきらきらしてる。私この作品の話をするってなると"きらきらしてて!"って必ず言いたくなるくらいとにかくきらきらしてるんです!!照明がカラフルなのはもちろん、楽曲の中から聞こえる音もきらきらしてるのでとにかく子どもの頃のわくわく感とかウキウキな気持ちがやってくる。突然4拍子だったのが3拍子に変わったり、音楽の世界とタカシの世界が共存していて楽しい。この気持ち、子どもの頃から時間が経った今だからこそ貴重なものだとわかるから大事な宝物をもらった気分になれるよ!ちなみに生演奏なんですけどたった3人でこの作品の楽曲を演奏されています。3人だとは思えないくらい色んな音が聴こえて楽しいよ。




▼キャラクター

タカシ - 平間壮一

サヴァン症候群共感覚を持つ青年。
平間くん演じるタカシなんですけど、もう舞台の上にいるのは"平間くん演じるタカシ"ではなく"タカシという1人の青年"なんです。初演の時よりも世間をちゃんとわかっていて、だからこそ「僕は異星人だ」と言い切ってしまっているのが切なく感じてしまう。
平間くん、私の推し俳優さんなので贔屓をしてしまうことはやっぱりあるのですが、そういうの抜きにしてすごい。この私が感じている凄さがフラットなものなのか自信がなかったけど、色んな人の感想をみてやっぱりすごいって確信に変わりました。平間壮一の新境地と言われている作品。だけど平間くんを見るというよりはタカシに会いにきて欲しい。


マモル - 長江崚行

タカシの弟のマモル。中学を出てからずっと兄を支えるために働いている。兄思いの優しい弟。
初演では溝口琢矢さんが演じていたマモル、今回は新キャストとして長江くんがマモルを演じています。長江くんのマモルはお兄ちゃんのそばでずっと優しく接して、当たり前に"隣にいる"という存在ということをすごく感じる。障害がある兄という普通とは違うからこその悩みとか葛藤もあるけれど、やっぱり根幹にはお兄ちゃんが大好きな感情が見える。
長江くんのつくるマモルだからこその化学変化が起きていて素敵になってます。
あと平間くんと声が似てるので兄弟感がめちゃくちゃ強い。


アヤ - 安藤聖

タカシとマモルがいつも行くPARK DINERの店員。
タカシとマモルを時には真正面から、時には陰から優しく支えてくれる良きお姉さん。
アヤさんの心の広さと優しさには本当に尊敬できるところがたくさんある。何事にもポジティブなところも見習わないといけないよなあ。誰にもバリアを貼らずに平等に接することのできる人ってあんまり今はいないなって改めてアヤさん見てると感じる。
聖さん、初演の時よりも顔つきが変わったのでより安心感が増してて改めて見てもアヤさん大好き!!!って気持ちでいっぱいになれる。


ユーゴ・オブライエン - 大山真志/川久保拓司

Mr.Brain man というクイズ番組の司会者。タカシをこのクイズ番組に出ないかと誘う野心に燃えている男。
初演から続投されている大山真志さんと今回初参加の川久保拓司さんのWキャスト。私はまだ今回の大山さんのユーゴは見てないけど川久保さんのユーゴがまた新しい姿だったのでこの2人だけでも全然違うものが見られます。
上に上にと野心に燃える男、その目指してる、見えている先が大山さんは近くにあって川久保さんは遠くにある。そんなイメージ。だからこそユーゴのソロの表現とか変わってくるだろうし見比べても楽しいと思うしそれぞれでもユーゴはめちゃくちゃキャラクターの濃い役なので好きになること間違いなし!
ユーゴのソロ曲、前を見ているはずなのにどこか哀しさがあって聞き応え抜群です。私はあの曲聞くと悲しくなってしまうところがある…
聞き方は人によってそれぞれなのでこの楽曲の楽しみ方もそれぞれですね!


高野先生 他5人の女性たち - 剣幸/彩吹真央

脳科学者の先生。他タカシに影響を与えていく5人の女性たち。
それぞれの女性に思うところがあって、考えることも感じることも違うからやっぱり同じ人なんていないんだなっていうのが1人の人が演じているからこそより感じます。
剣さん(通称・つるちゃん)と彩吹さん(通称・ふーちゃん)の2人も初演からの続投で、5人もキャラクターを作らないといけないことから本当に難しい役だと思うんですけどより濃く!深く!なっていてどの女性も大好きになってしまう。
この5人の女性に共通しているのは"声についている色"なのでそこに注目してもらえるとより楽しめるんじゃないかなと私は思います。
タカシに外の世界を教える、感情をひとつずつあげているようで時には辛く鋭く感じることもあるけれど、それがより現実味を帯びていて。受け取るタカシが無防備だからこそその鋭さが増すんだけどそのどれもが良い影響になっているんだと思う。
タカシを一歩ずつ成長させていく大事な女性たち。それぞれの楽曲も素敵なので酔いしれます。


メガネをかけた人たち

覚えておいて欲しいです!このお芝居、ここで紹介したキャラクターたちが突然黒縁眼鏡をかけて全然違う人になるんですけど、この眼鏡がそのスイッチになってます!
時にはタカシの頭の中の数字になってみたり、時には通行人になってみたり、TV番組のADになったり、、とマモル、アヤ、ユーゴ、高野先生以外にもみんな色んな人になってます。それをわかってみるだけでこのお芝居分かりやすくなると思うしキャラクターも可愛いのでメガネかけたキャストさんにも注目を!みんな癖アリで面白いよ!!








作品の雰囲気みたいなのはこちらのレポを見てください!写真もあるしインタビューもある!すごい!*3


平間くんと長江くんのインタビューもどうぞ!




まあ大体この辺に目を通してもらえればトマトの雰囲気とかわかると思います、エンタステージさんの記事ばっかり貼ってるけど回し者ではありません( ^ω^ ) 結局最後は人頼み( ^ω^ )


初演が良すぎたばっかりにやっぱり個人的にここを超えられるかな…楽しめるかな…って心配しかなかったんですけど、札幌公演をみて無事にチケットが増えました。今回は地方公演も充実しているし、東京公演は会場が広くなった分よりたくさんの人が見られるチャンスがあるってことだから、このブログに辿り着いたってことは興味があるってことだと思うから、その興味を信じてぜひ見に行ってください!!


ちなみにこの作品、上演時間が1時間55分腰とお尻と集中力に優しい上演時間。重すぎないけれどこの2時間弱にたくさんのメッセージが込められてる。サクッとわくわくしにいこう!



地方公演、福島、札幌は終わってしまったけどこの後大阪、福岡、石川があるよ!最後12月が東京です!

▼上演日程(※2019/12/2 現在)

<福島県>
いわきアリオス小劇場 : 2019/11/10〜2019/11/11 上演終了

<北海道>
札幌市教育文化会館大ホール : 2019/11/14〜2019/11/15 上演終了

<大阪府>
東大阪市文化創造館小ホール : 2019/11/19〜2019/11/21 上演終了

<福岡県>
福岡ももちパレスホール : 2019/11/26 上演終了

<石川県>
北國新聞赤羽ホール : 2019/11/29 上演終了

<東京都>
東京グローブ座 : 2019/12/04〜2019/12/10 上演終了

2019年12月10日で全公演終了しましたお疲れ様でした!!


公演詳細は公式HPや公式Twitterをチェック!

→公式HP

→公式Twitter










春の終わりに見るトマトも良いけど冬に見るトマト、作品がきらきらしてるからクリスマスプレゼントをもらったみたいな気分になれて素敵だよ。(私談)






*1:マモルはキャスト変更があったのと、ユーゴはWキャストになりました

*2:初演の時美味しそうすぎて帰りに飲んだけど克服はできませんでした

*3:こんなにトマトに福利厚生があるなんて思ってなかった