落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

辺境の地で霧丸を語る






髑髏城の七人 Season月 上弦の月 ゲキシネがついに東京でも公開されましたわーいわーい!!
おめでとうございますおめでとうございます!!
これが…おれたちが愛した上弦…… と言わんばかりに上弦の魅力がめちゃくちゃ詰まってるゲキシネ… 編集が神がかっててる… ありがとう上弦、ありがとうゲキシネ、、
都内での公開がひと段落して、レイトしか今はないけどこの先も公開が続くから、ステマっていうよりは霧ちゃん刺さった人に霧ちゃん可愛いよね…って言いたいだけの記録。あとは激動の上弦をちゃんと残しておきたかった。ここでは書いてなかったからね。たくさん回って私は霧ちゃんのおたくになりました。




もう2年前になっちゃうんだなあ…と楽しかった2017→2018の月髑髏に思いを馳せてる。
確実に人生を狂わせた作品であり、私が平間くんのファンになった作品でもあって、髑髏城の七人 Season月 上弦の月は特別な作品。

改めてゲキシネを見るってなって気がついたのは平間くんのファンになって見る初めての月髑髏なんだってこと。月髑髏が終わってから何作品かで平間くんのお芝居をみて、平間くんの表現に触れてまた感じたことがたくさんあって、やっぱり上弦って最高…… と唸らずにはいられなかったからその気持ちを残しておきたい。
改まる必要もないけど、上弦ってとにかく最高でしんどくて辛くて生きる希望がみえて元気になってハイになって気がついたらまた荒野にいての繰り返しなの。合法麻薬とはよく言ったもの、人は上弦を摂取すると元気になる。インフルの予防接種よりインフルにならない薬なんじゃないか、その効果は多分あの時期足繁く豊洲にある関東荒野に通ってた人たちが証明してる。みんな異常なまでに元気だった。上弦ってそういう力というか効果がある。そして情緒が掻き乱される。何回みてもお腹いっぱいにならない作品、それが上弦の月だ。




とにかく捨霧が尊い

公演期間中から捨霧は尊かったんですけど、平間くんのお芝居のアプローチを経験した上でみる捨霧の尊さに私は今、震えてる。そして上弦のほんとうの姿を霧丸を通してちゃんと見ることができるようになったんじゃないかな、とすら感じてる。あの頃の私は今以上にぽんこつで、何にも知らなくて何も見えてなかったんだなと悔やんでる。


上弦の月は今まで使ってなかった感性というか、舞台の面白さを学んだ作品でもあったんです。だから人生が狂った。(n回目)


初めての髑髏が花髑髏で、ムチ打たれたように身体中に激震が走ってこんなに面白いエンターテイメントがあっていいのか!?と衝撃だけが残って放心状態になった私と髑髏との出会い。気がついたらまた次のチケットを探し始めて気がついたら豊洲に通う身体になってた。この頃って戯曲の面白さしか見えてなかったんだろうなあと思う。髑髏城の七人がおたくの心に刺さるのはその空白の多さもひとつあるけどその空白がまだ見えてなかった。
かずきの書く台詞を浴びる気持ち良さがあって、展開の早さに置いていかれることなく乗っていられる楽しさで通ってたなあって今は思う。この空白が見えるようになった瞬間に舞台の面白さを感じたの。それをね、ダイレクトに感じられたのが上弦の月だった。
あ〜私、気がつくのも見えるのも遅すぎ。
それでもこの感性が少しずつ少しずつ顔を出して後半のしんどさに楽しくてたまらなくなって終わったんです。

このね、空白をいちばん最初に感じさせてくれたのがひらきりちゃんだったんですよ……
あの小さい手にたくさん熊木衆の仲間との想いと思い出とそれを全部手の中に込めて1人生き残って戦う。熊木の仲間に愛されて、仲間を愛して、仲間が家族になって熊木で笑いながら仕事してる霧丸が見えた時にああ、役者さんってすごいなって単純に思った。こんなに後ろにある物語が透けて見えたことが初めてだったからなんかこう、世界が変わったみたいだった。大げさかもしれないけど、私にはそれくらい大きいものだったんだよな。
「血塗れの手も三途の河で流せばいい」って太夫の言葉に自分の手を見つめながら聞く霧丸の込み上がる感情に無界での出会い、捨との出会いが大きく霧丸の中に刻まれていて。この先どうしようっていう不安とか迷いとか、仲間を失った悲しみ、霧丸にとっての血塗れの手は復讐に燃えてしまったことなのかな、あれだけ仲間のことを思って行動していたのにって霧ちゃん強いけど弱い姿も見えて気がついたらもう好きだった。
こんなに繊細に作り込んで、どこを切り取られてもずっとその役でいられる彼に魅了されたしなにより新しい霧丸(沙霧)像だったんだ。もう好きになるのは決まっていたような、天に導かれるように惹かれていったのかもしれないなあ。板の上に立つからにはずっとその役でいることなんて当たり前なんだけど、細かいところまで緻密に作り込まれた霧丸の姿に目が離せなくなってた。


前置きが長くなったけど、改めて平間くんのファンになってから上弦みたらもう捨霧がたまらなく愛おしくて尊くてたまらなくなったんですよ。
お互いがお互いを輝かせるような2人なんだよなあ捨霧って。
個としての輝きはもちろんそれぞれにあるけれど、それ以上に2人が揃ったら考えられないくらい光輝くの。粒子が放たれる。その輝きはお互いを高め合うような、そんな存在なんだよ。捨には霧ちゃんが必要だし霧ちゃんにも捨が必要なんだよね。なんかやっと腑に落ちた。
復讐に燃える霧丸の目に光を灯すのは捨之介で、生と死の境すらわからなくなって目の前が真っ暗になってしまった捨之介の目に光を灯すのは捨之介自身が救った霧丸なのめちゃくちゃ最高じゃありません?
暗闇の中を叫びながら暴れてしまう捨の道しるべになる霧丸…… 暗闇の中から一筋の光の道を照らしてくれたんだね…… この2人、出会うべくして出会ったと思うし最後捨之介が生き延びれたのは確実に霧ちゃんがいたからだと思わせてくれるのがすごく、良い。この捨之介の道標になった光は最初に捨之介が放ってたのとおんなじ光なの、その光を受け取った捨之介に「生きてこの城から抜け出して、また会うぞ!」って言わせることができる。目から出る光が希望に満ちていて救えるって信じているの。そして「わかった!」って叫ぶ霧丸のなんと美しいことよ……


霧丸は熊木衆で仲間に愛されて、仲間を愛して育ったんだなっていうのが至るところに散りばめられているのが好き。復讐をするのも"仲間のため"だしこれから生きていこうと決意できたのも"仲間のため"。今までは必ず隣に誰かがいて、霧丸にとってはそれが当たり前だったから、1人になるとどうしたらいいのかわからなくなっちゃうんだろうな。髑髏城内では人を信じる信じないの騙し討ちに熊木衆が負けてしまったわけで。もう誰も信じないと決めて髑髏城から飛び出してきたけど1人だと不安でいっぱいだし進むべき道がわからなくなって選んだ道が仲間の復讐だった。誰かのために生きてきた霧丸だったから自分のことなんて考えていなくて、そんな周りも見えなくなってしまってる霧丸にもう一度人を信じること、熊木の血を残せるのは霧丸しかいないことを教えてくれるのが捨之介と太夫、そして無界の人たちなんだよな。
誰も信じられない霧丸に真正面から目を見てしっかり話をしてくれる人がいたから霧丸は前を向けたんだよなあ。人を信じることができる、仲間ができた霧丸から発せられる輝きは比にならないくらいきらきらしていて。舞台の上で本当に"面付き"が変わる平間霧丸ほんとうに天才。仲間がいることによって人を強くさせて大きくさせることをちゃんと教えてくれた。
そして、きっと初めて自分の意思でこの人のために城を作ると決めた最初の城は捨之介のためのでっかい傘なんだろうな〜






ここで霧丸の中の人、平間壮一さんのお話を少し。
公演が終わってから髑髏城の七人をやるにあたって、平間くんが大切にしていたことが「自然体でいること」とお話されていました。
この"自然体でいる"っていう言葉通り、1回1回を新鮮な気持ちでちゃんとセリフを聞いてその時の感情で自分の気持ちを、セリフを繋いでいったんじゃないかなって。公演期間中におたくを驚かせた平間くんの天才的な台詞変更の数々… 思い返しただけで鳥肌が立つくらいすごかった。物語から逸脱せずにここまで言葉を変えることができるのかって、これが私が感じたいちばんの自然体を表現していた平間くんなのかなあって思ってる。
ゲキシネの中にも剣布にトドメを刺されそうになるあの台詞「そうやって俺たちの仲間も、家族も殺したのか!」のこの家族もこの日のアドリブなんだよ、おたくがざわついた"家族"ってワード。平間くんだからこそ出たし一気にしんどさを持たせるパワーワード。これを残してくれたのほんとに感謝してる…
最後の兵庫のプロポーズ後のゲキシネだけは声だけ残ってる「兵庫、格好良かったぞ!」もあったりなかったりのガチャだったし。
映像班に混ざってる舞台班の1人だったからライビュの日はどうなるかな…って少しだけ心配してたけどそんな心配吹き飛ばすくらい爆弾たくさん置いていってくれたのほんとうに嬉しいありがとう平間くん!!
いつか平間くんの口から霧丸をやってた時のお話を聞くのが今の私の夢です!苦しかっただろうけど楽しい思い出になっているといいなあ……


自分のやりたいようにのびのびと仕事させてもらって周りから愛されて育った霧丸、周りのことよく見えてて賢いんだけどそれだけじゃなくて可愛い一面もたくさんあるんだよってこと最後にちょこっと書きますね!!

  • 巷で話題になってる色里霧ちゃん。「無界の里?あれはこの街1の色里と聞いたが?」に「いろざとぉ?」ってなる霧丸。公演中は色里を知ってて嫌がったり色里にデレデレしたり、色里知らない霧ちゃんもいたんですよ〜!ゲキシネは確証ないけど多分色里知らない霧ちゃん。諦めて「行くなら早く行け〜」って連れられて叫んでるのはちゃんと音入ってて身体もめちゃくちゃ力抜けてるの可愛いからよかったら見て!そこから繋がる無界に入る時の霧丸、色里知らなくてどんなところかわからない怖さからなのか捨之介の着物の袖持ちながら入ってくるんだよ… これは私もゲキシネ見て気がついた。ほんとに可愛いね、霧ちゃん……
  • 水車小屋の渡京に捕まる時、「遠近法を無視したこんなやり方に〜」でちゃんと後ろの絵みながら遠近法確認してるんだよ。
  • 月見の宴で自分の手を見る→楽しそうな笑顔で踊ってるみんなを見る→蘭兵衛を見つけるって流れなんですけど、引きなんだけど楽しそうに柵にもたれながら笑う霧丸に本当の姿を見たような感じになれるよ。霧丸は笑顔がよく似合う。
  • ボコられ霧ちゃん!!2幕、後ろの蘭兵衛もいいけど天魔王にボコられる霧ちゃんも見て!あの、喧嘩のプロ2人による最高に贅沢タイム!!!天魔王の殴り方も霧丸のふっ飛ばされ方も全てが調和しておる。(贋鉄斎ボイス) ちなみに途中で気を失う霧ちゃんは途中から入った演出です!初めて見たときはびっくりしたよ…… ビンタして起こす天魔王様、殴る前にブルブルする天魔王様、とんでもヤラれ役の霧ちゃん。こんなハイレベルの喧嘩見たことないから目に焼き付けて損ないと思うよ…
  • 兵庫に飛び蹴りする霧ちゃんの美しさ
  • 「百万点満点だっ!」っていう贋鉄斎の言葉に指折り何点か数える霧ちゃんもいたんだよ
  • 大阪城の絵図面の鍵を握る暗号を要求される時にそっと逃げようとする霧ちゃん
  • 金500枚持ってきた鉄騎兵に「すげぇ!」って喜ぶ霧ちゃん。これ日によって鉄騎兵に「ありがとう!」ってフライングありがとうしちゃってたり、「金500枚ってこんな重いのか!?」ってびっくりしてたり可愛い霧ちゃんが増産されてました
  • 泣いてる捨之介を指さして「何泣いてんだよ〜」ってやり取りしてる

気がついたら可愛いだけじゃない霧ちゃんも書いてしまったけどゲキシネ写ってたり写ってなかったりするので何回か見て余裕でてきたら見てほしいな〜って箇所ばっかり!天蘭も良いけど捨霧もぜひよろしくお願いしますね。




これからも色んなところで上弦の月公開続くと思うのでまた時間見つけて見に行かなきゃ!ゲキシネもちゃんと劇薬だから見たら元気になれるよ!また、気がついたら関東荒野にいるんだろうなあ…