落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

Coloring Musical 「Indigo Tomato」

 

 

明日から大阪公演が始まるということで、その前に東京公演の振り返りがしたくて書き始めたただの感想文です。

 

「Indigo Tomato」

特に大きな前情報のない中始まったミュージカル。サヴァン症候群の男の子が主人公のたった5人だけのミュージカル。そんな風な言葉がポスターにあったっけか。

前情報がなさすぎて初日がいつもの初日ほどわくわくしていた訳でもなく、やっと平間くんのお芝居が観られる…!!という気持ちだけで向かった博品館劇場。

泣ける系のお話なのかな、サヴァン症候群の男の子が成長していく物語なんだろうな、くらいな印象で行ってた気がする。

 

さて、幕が開きました。

 

……………………ん????なんか私すごいものみた?あれ?え?なに?みせられたの???……………

 

初日終わりの言葉にならない私の心の中の言葉たち。なんだか凄いものを見せつけられすぎて私どうやって初日帰ったのか記憶がない…

とにかくカラフルでわくわくして、寂しくなって、悲しくなって、でも終わった後には前を向きたくなって、気がついたら私もタカシと一緒に笑ってた。

 

小林さんが今回は平間くんの両翼をもぎとって、チャレンジしてもらってます。って言ってた言葉の意味がよくわかった。いや正直に言いますとこの言葉の意味ってちゃんとわかっていなかったんですよ、お恥ずかしながら。ただ公演中にお母さんがタカシに向かって笑ってちょうだい。っていうセリフを聞いて、ああこれかと腑に落ちたんです。思い返してみれば笑ってなかったよな、笑わない平間くんのお芝居。笑顔という表情の引き出しが使えない中での感情表現がすごくてそんなことすらわからなかった、やっぱりこの人はすごい。と素人ながらに感じました。

表情が無いっていう言い方をすると語弊があるのかもしれないんだけど、この無い表情のレパートリーがあまりにも多すぎて、そしてまた場面1つ1つで伝わってくる感情に違いがあることに驚いた。

 

初日から、千秋楽は入ってないんですけど前楽は観劇させていただいて。

やっぱり1公演ずつ良くなってるし少しずつの変化をみていって感じたのは出てくるキャラクター1人1人の感情が表に出るようになったんだな、ってことでした。

 

初日近くの印象としてはタカシもマモルも本当の奥にある気持ちは表には出さずに接していた印象があるんです。正確には後半みて前半はあんまり気持ち出てなかったな、って感じたんですけど。感情を"抑えている"というよりは"出し方を知らない"っていう感じ。それがしっかりそれぞれの役から伝わってきた。

でもそれはそれでタカシでありマモルであるんだし感情が奥にいるからこそ伝わってくるところもあって。

例えばマモルの夢を諦めてタカシに付き添うことしか選ぶ道がない場面。"先生になるはずだった"って初日は諦めるしかなくて諦めてるっていう印象だったんだけど後半になるにつれて諦めたくないのに諦めるしかないっていう思いの伝わり方のが大きかったんだよな。んー言葉にするのが難しい。。

タカシも居心地が悪いんだ。の場面あたりとか、ずっとその状況で過ごしてきてるわけで居心地が悪いのが嫌なんだけどそれを表にも出してるわけではなくただ淡々と居心地が悪いんだ、ってことをあやさんに話してるっていう印象だったんだよな。これが後半になるともう関西弁のインスタおばちゃんに詰め寄られら場面でぼたぼた涙を流す姿をみてタカシへの私の解釈がガラリと変わってインスタおばちゃんの印象も悪気があるわけではなくてただ事実をありのままに言ってるだけなんたけどそれがタカシにはあまりにも刺さる言葉だったんだよね、初日に勘付かなかった自分をひどく後悔している… 初日はなんやねんこのおばちゃん、あやさんもっと威嚇しようや!くらいに思ってた自分を殴りたい。あの言葉かけられてるタカシの辛さがもうしんどくてしんどくて、そしてあまりにもここの表現に好きが詰まってて底知れない凄さを感じた。

 

物語全体を通した感想はまた大阪まで全部が終わったら書くとしてとりあえずというかとにかくこのIndigo Tomatoでは平間壮一の凄さをただただ板の上から見せつけられる作品でした!!!

 

いやだって、そこに存在しているのは平間壮一が演じるタカシではなくてタカシなんだもん。もうタカシでしかない。タカシが泣いて籠って扉を開けて戦って、色んな人と出会って自分を認められるようになる。そんな物語。そこから伝わってくるのは普通って結局のところなんなんだろう。っていう問いがあるのは確かなんだけど普通だろうが普通じゃなかろうが人との出会いで人生は変わる、変えられるっていうことなんだろうなって今は感じてます。

 

さて個人感想雑多

 

タカシ

頭の中で数字と遊んでる時がきっといちばん楽しくて心地が良くて笑っていられる場所なんだな、っていうのがOPと円周率の暗唱ダンスから伝わってくる。OPめっちゃ好きで、数字(メガネさん)たちに手を振り返すタカシがすご好きです!!!

そして円周率の暗唱ダンス。ここに平間くんのダンス入れてきたか!わかりすぎてないか小林さん!!あまりにも唐突に動きが機敏になるものだから最初理解できなかったけどほんとここであの演出にしてくれた小林さんには頭が上がらない。

でも何をおいてもタカシが作品の中でしっかりタカシとして存在しててもうタカシにしか見えないそんな演技をしてる平間壮一凄いですという一言に尽きるんですよね。手の動き、セリフの言い回し、目線の動かし方全てがもう凄い。全ての語彙力を失って出てきた最後の言葉があ…すごい…無理だ…

久しぶりに舞台上から殴られた。アッパー確実に決まったこの感覚久しぶり楽しいヒャッホー!!!ってなった。(だから帰り道の記憶がないのかもしれない)

毎公演セリフが少しずつ変わってたりアプローチの仕方を変えてくるお芝居を見てるのがとっても楽しくて好きだから平間くんのお芝居はすごく刺さるし殴られるのかなあと感じました。

良い変化をしていく役者さんってこんなに見ていて楽しいんだ、と気付かされた作品にもなりました。

特に前述したインスタおばちゃんのシーンね。あそこでぼたぼた涙を流すタカシが忘れられない。居心地が悪いんだ。で涙腺崩壊してたっていうのはとある日のレポで見かけたんですけどその次の日かな?入って見てたら涙腺崩壊する場所がこのおばちゃんのところになっててタカシ…!!!!!!!となりました。逃げたくても逃れられない現実とまた1つ戦ったね、強くなったね、そう言ってあげたくなります。

その他好きなシーンはありすぎるのでまた次の機会に。

最後に平間くんの記憶力はどうなっているんでしょう結局円周率は何桁まで覚えたの??私は60桁が限界でした!!

 

 

マモル

私の中の印象として初日からガラリと一番変わっていったのがマモルだと思ってるんです。内に秘めたる想いが強く感じた前半から俺だってやりたいこと色々あるんだようわぁー!!ってちょっと狂ったように暴れる印象に変わった後半。ボキャブラリーがないからこんな言葉でしか表せないのが辛いけどイメージそんな感じ。

中でも残ってるのが何ともない兄弟の会話で。

今日の数字は?

虚数完全数無理数素数

ここの会話。しっかりタカシのセリフを待ってた前半とは変わって後半になるにつれてちょっと食い気味になるんだよね、マモルの返事が。ここだけじゃなくて他のセリフのところもそうなんだけど。それがなんだかずっと一緒に過ごしてきてる兄弟のやりとりって感じでセリフの間だけでこんなに変わるものか、と思いました。

あとTVには出ないって発作を起こすタカシの止め方。タカシのこと抑えて兄貴!!って呼びかけて治ったら触ってないから、みたいな感じでびくびくしながら離れるあのお芝居が何故だかわからないけどめっっちゃ好きです!!

からの小さな四角い食卓。目に涙を溜めながらも流しはせずに歌い上げるマモルの姿にやりきれない思い後悔と寂しさ、そしてタカシの存在への想いが入りまくってて見てるこっちまで色んな想いが込み上がってきます、、

ユーゴがタカシの紹介をしてる時に障害者、障害を持ってるって念押しするように言ってる時にはすっごいイライラしてて、マモルのユーゴへの視線に怒りしか感じないしマモルまで紹介された時の作り笑いはもうあの笑顔で精一杯なんだろうなっていうのが伝わってくる。

ラストの兄ちゃん!って叫ぶマモルはきっと乗り越えないといけなかった1つの壁を乗り越えたあとの笑顔と言葉であってまた刺さるものがある。

マモルもタカシの側についていて、確実に大きくなっていってるんだよね…

大阪ではどんな変貌を遂げているのか見るのが楽しみです、そして兎に角私は溝口琢矢の声がめっちゃ好きですってこと書いておきたいほんとうに良い声をしていらっしゃる…

 

 

あやさん

あやさん!!まずはとにかく私はあやさんが好きです!!!

こんなに色眼鏡が入っていない人がいるのかっていうくらいに素敵な人。嘘がなくて取り繕ってる感じもなくてしっかり本心で話ができる人。タカシに対してもしっかり対人として話してくれる。タカシの言葉を待つあやさんの優しい笑顔に何度救われただろうか。

人として尊敬するしあやさんみたいな人になりたいと素直に思えるそんな人。人とのコミュニケーションの取り方も抜群でこの人はどんな人とでも仲良くなれるんだろうなって感じさせるきっとつくしちゃんの良いママなんだろうな。

つくしがね、頑張ってねー!って

のセリフのあやさんまじ可愛い。いやずっと可愛いんですけどね、ほんとに可愛い。

 

PARK DINERに来てくれてありがとう!美味しいトマトジュースをありがとう!と大声で叫びますね!!

 

 

ユーゴ・オブライエン

野心に燃えてるテレビマン。まさしく!!!

そして大山さんの歌の上手さすごいですね!!このIndigo Tomatoで初めましてだったんですけど圧倒的オーラと歌唱力で場が一気に変化する

そして話があまりにも唐突でNOを許さないあの感じ。もちろん高野先生のサポートもあってタカシがブレインメンに出演することにはなるんだけれどもそれでもやっぱりあの押しの強さはすごい。タカシが引く気持ちもわかる。私なら引いちゃうし苦手とするタイプではあるんだよな。だけどユーゴにも背負ってるものがあってその狭間で戦いながらユーゴは人の前に出ることを選んで野心に燃えてるんだよね、

最後に扉を開けるチャンスをくれたってところ、タカシが涙声で歌ってるの聞いてユーゴとタカシとの間にできた関係性が見えたなあ。

次のカードを切りなよ、このカードを使いなよ

ここほんっとかっこいいので大阪でも楽しみにしてます

 

 

5人の女性

高野先生、お母さん、ローズ、インスタおばちゃん、優しいおばあちゃん

どの女性もみんなそれぞれ素敵な人で剣さん綾吹さんの表現がまたそれぞれに魅力的だった。

特にお母さん。剣さんのお母さんの崖っぷちにいる感じがもうほんとにこのまま飛び降りて自殺でもしてしまうんじゃないかくらいに追い詰められてた感じがしてびっくりした。もう子供たちのことなんか考えられなくて自分のことだけで精一杯になってしまったお母さん。対して綾吹さんは日常の疲れが日々積もりに積もってコップから水が溢れでるように自分でもコントロールができなくなってしまった。もう子供を置いていくしか選択肢がなくなってしまって途方に暮れているお母さん。その選択肢しかなくなってしまった辛さまで感じさせられた。

カッコウカッコウ、って泣きながら、だんだんと不協和音が大きくなっていって崩れていくのなんとも言えない辛さがあった。

あの不協和音は耳を塞ぎたくなるくらいに不協だった。身体が震えあがる、誰にも止められない崩れ落ちていく過程。

この5人の女性たち一人一人みんなが素敵すぎるから考察し始めると止まらないからお母さんだけでやめとく。

 

剣さん綾吹さんともにメガネの人で出てるブレインメンのお客さんが可愛いすぎてしんどい。

ユーゴの手振りノリノリで真似してるのめっちゃ可愛いですからね!!!

 

 

 

 

残すところIndigo Tomatoも大阪公演3公演!!

大阪ではどんな爆弾を落としてくれるのか今から楽しみです!ただもうタカシたちに会えなくなる寂しさもあって複雑ってところが現状かな、何を言おうと楽しむしかないんですけどね、