落とし物箱

出会っちゃった人たちの話がしたい

きらきらした宝石箱みたいなお話。

 

 

あーついにIndigo Tomatoが千秋楽を迎えてしまった… 終わってほしくなかったほんとにほんとに楽しかったし幸せだった…

ってことでやっと感想ぽつぽつまとめてる

 

DVD発売されるしチケット増やすのはやめよう、と思っていたのに気がついたら大阪が増えてました。舞台観劇って大体こんなもん、

 

そんなDVDが今週の土曜日までらしいのでまだ予約していない方いらっしゃいましたら是非予約してみてください!色んな平間くんが見られます!カラフルな舞台。そしてとにかく楽曲が良い。ストレートなセリフに乗る曲が可愛くてわくわくさせてくれる。迷ってる方がいらっしゃいましたら後悔はしないと思います、ということだけお伝えしておきますね

Coloring Musical『Indigo Tomato』DVD申込フォーム

 

Indigo Tomato始まった当初は平間くんの初主演ミュージカルだし後悔しない程度に、って思ってたんだけどそんなのも忘れるくらいに素敵なミュージカルだった。

そしてただただ平間壮一の凄さと底力を見せつけられた舞台でした。

 

こっちの感想にも色々書いてはいるんですけど、まあ書きますね、

 

 

 

平間くんのお芝居ってほんと底知らずだなあってみててずっと感じさせられた。

髑髏見て感じてはいたんですけどね、やっぱりこの人ってすごい。まず何がすごいって表情なんですよ。物語前半の自分の扉に閉じこもったままの表情とだんだん扉を開けられるようになってきたときの表情。顔が全然違う。しっかりわかるの、成長していってるんだな、って。ちゃんと周りの人の言葉に行動に、影響されて自分に落とし込んでしっかり考えてっていうのがちゃんとわかる。

わかってない時の表情も上手。人と会話する時って目をたまにでも見て会話したいはずなんだけど今回の役的には誰とも目を合わせずに話をするんですよね、相手の顔が見えていない、見れないのにしっかり話を"聞いている"っていうのが見ていてわかるんですよ。他人の気持ちを考えるのが苦手な役だから、少しでも遠回しに言うと伝わらないことが多いときには理解できていないのが伝わってくる。ちゃんと聞いてるの?っていつもならなるはずなのにしっかり聞いてる、耳に入ってしっかり落とし込めてる。

それを表情と行動だけで表現している平間壮一ってすごくない!?!?!?

これ気がついたときちょっと理解ができなかった… そのことを感じさせないくらいにタカシと平間壮一との境界線がなくなっていた。

 

パンフレットで平間くんは台本を読んで、稽古をしていって、タカシはタカシの人生を生きてる。って仰っていたんです。まさしくそのタカシの人生を表現されてた。人との距離の取り方だったり、言葉の抑揚、話し方だったり、発作だってそう。全部タカシの人生の1つだった。東京公演のある日、ようこさんの夢を見れる子を聞いたタカシ、胸のあたりを指差して、"なんか、ここが熱い"って。泣き笑いながら言ったんです。多分次入ったらなくなってたからきっと素で出てきた言葉なのかな、って思ったらもう鳥肌がとまらなくてやばい平間壮一やばいやばいやばいやばい……ってずっとなってた。こういうところですとんって音もさせずに沼に突き落とされる感じ。たまらない…

 

そして平間くんのつくる間がまたすごく絶妙で。あやさんが暗記手伝うよ、ってところ。他の人は答え合せができる。のセリフのあとの"いいね。"までの間。ここの音がない時間もしっかりタカシの時間として存在させてるのが本当にすごいと思った。今までは言葉を聞いてすぐに自分の結論を出していたから即答くらいに食い気味での返事だったんだけどこのあやさんの言葉が思いがけない言葉だったんだろうな、って。この"いいね。"にも嬉しそうな感情が言葉に乗っかっているのもすごく印象的。

この間にもしっかりタカシの時間を存在させられる平間くんほんっとすごいと思ったしどこまでわくわくさせてくれるんだろうって感じたんです。

よしこさんの帰り際、また!ってここで初めて自分の意志で他人に自分の気持ちを伝えるシーンなんですよね。ここの、多分時間にするの5秒もないくらいなんだけど、この短い間にすごくタカシの葛藤があって、勇気を振り絞って出た"また!"って言葉なのがわかるんですよ

 

ほんとにこの間の演技にいちばん底が存在していないのを感じました… だから平間壮一の沼は深いというより底がないのか、とすらよくわからない結論にまで達して自分のこと納得させて。

 

ほんとうに贅沢な時間だった、、

 

 

 

∴物語について

 

自分の人生をただひたすらに真っ直ぐ歩いているタカシと、そんなタカシに振り回されながら夢を見続けるマモル、誰にでも分け隔てなく接するあやさん、タカシに色んな影響を与えていく女性たち、タカシの人生の扉を開けてくれたユーゴ。どの人もみんなが素敵で真っ直ぐでそれぞれの想いに溢れていて。

その人それぞれにみんなに嘘がないからこの物語はストレートに伝わってくるんだろうな、っていうの感じるし人に優しくしたくなる、そんな物語。

 

この物語を通してやっぱりみんなが揃って言っていたのが「普通ってなんだろう」ってこと。普通ってなんだろうな、って私もずっと考えながら見てたんだけど結局普通って何?って一周回って戻ってきちゃった。

私の中にある普通はきっと他人にとっては普通じゃなくて。他人の普通はきっと私にとって普通じゃない。君の常識は僕の非常識。僕の常識は君の非常識。こんなセリフがあったドラマ昔ハマっててよく見てたんだけどまさしくこれだよな、って。結局は普通ってその人自身の価値観ってことになってきちゃうんだろうなあっていうのがこの作品観て感じた結論。あとは多数派か、ってところなのかな。目玉焼きには醤油派?ソース派?みたいな感じ。

タカシにとっては数字と触れ合って生活してるのが普通であるわけで。私自身に置き換えても舞台とか、演劇をみることが生活にあってそれが普通なわけで。それだけじゃなくて毎日を送る中で自分の生活に毎日存在しているものが普通になってくる。普通か普通じゃないかの線引きってほんとに難しいしきっとここに境はないんだろうけどやっぱり普通じゃないってなるのは少数派ってところ、なんですよね。だから結局タカシは少数派なだけなんだよ、自閉症っていう障害を持っていることも。その自閉症の中でも数学に特化した知識を持てていることも、少数派なんですよね。

そのことだけでやっぱり特異にされてしまうのは今も昔も多分どこに行っても変わらないんだと思う。実際観劇が趣味で、って話をすると舞台観劇人口の少ない日本では少数派になるわけであって、きっと何気ない相手からの一言に傷ついたりもする。タカシもきっとそれの積み重ねであったりもするんだと思う。そうして居心地が悪くなる。その居心地の悪さをなんとかごまかしたり、乗り越えたりするのは誰かに話を聞いてもらったり相談したり、それは人それぞれなんだけど。タカシにはそれができる相手が数字しかいなかった。そして内に入っていくようになっちゃったんだろうなあって。数字も大切な友達だけれども、また違った外の扉を開いてくれたのはあやさんで、そのチャンスをくれたのはユーゴ。タカシは良いタイミングで自分の心に入ってきてくれる人たちと出会えたから、笑えるようになったしあとはお母さんを含めて人を認められるようになったんだと思う。

 

そしてこの物語を通して感じたのは、タカシにも感情があって、タカシ自身ではしっかりその感情の揺れ動きにも過程があること。もちろん他人の気持ちを考えることが難しいんだけれども、しっかり人を思う気持ちも持ってること、多くの人と変わらない、タカシも普通の人なんだな、っていうこと考えさせられたんです。

コミュニケーションを取ることが難しい、って最初に聞いた時はどういうことを言うのかが実際よくわからなかった。そうと言われているけれども、何をコミュニケーションとしているのかすらその境界が見えなくなったことも確か。会話のテンポだったり流れが読めないことはあるけれども、人の話を聞けない訳ではないし、会話だって成立しているから。

後半には毒リンゴ聞いて"ありがとう。"ってタカシは言えるんだもん。世の中ありがとうが言えない人だってたくさんいるのに。その一言がどれだけ嬉しいか、どれだけすごいことなのか。

しっかりと自分の中に落とし込めればきっとタカシは謝ることだって感謝することだってできる。ただしっかりタカシのスピードとリズムに合わせて話を聞いてあげる、してあげることをしないと成立しないところがコミュニケーションを取ることが難しい。と言われているところなのかな、って。

だからこそあの色んな女性はタカシにたくさんの影響を与えるし、大切な存在になってくる。タカシが理解できていない気持ちをしっかりタカシにも伝わるように教えてくれるから。だからタカシはこの女性の話を聞いて感情がすごく揺れ動く。ちゃんと聞いて理解して、その上で自分の感情が揺れてるから。テレビに出るっていう普通の生活とは少し離れたことをしたことで、周りにも自分にも良いように作用して変わっていけた。

印象的だと感じるのが4と9でマモルはお母さんに向けて「元気でいてほしい」ってお母さんを思ったことを言ってるのに対してタカシは「元気にしてるよ」って自分たちのことを言う。他人の気持ちを理解することが難しいタカシが言えるいちばんのお母さんを思った言葉なんだろうなあって思うとやっぱりタカシって人が好きでお母さんが大好きなんだろうな、と感じるんです。こういうところに嘘を感じないからストレートに伝わってくるんですよね。

 

 

円周率6000桁暗唱成功して、マモルが地球はまるっと綺麗だな!ってまた1つの壁を乗り越えて、笑顔でうんっ!っていうタカシの笑顔をみて、お母さんがいつか戻ってきてくれるといいね、って思ってます。

お母さん、タカシ笑えるようになったよ!!

 

 

 

 

 

 

またいつの日かこのIndigo Tomatoが博品館劇場で見られる日がくることを夢みて、たまには夜空見上げて青い星座、口ずさみますね、